馬車道にある「馬車道グラヌーズ」は、2020年11月にオープン。販売しているのは1.5斤で1,000円以上の高価な食パンですが、口に入れればその価格も納得の味わい。
近年は高級食パン戦国時代の様相を帯びていますが、激戦区の関内・馬車道エリアにある「馬車道グラヌーズ」はその中でも屈指の名店。
今回は「馬車道グラヌーズ」に伺い、食パンをいただいてきたのでレポートしていきます!
馬車道駅から徒歩5分。「馬車道グラヌーズ」はオレンジの看板が目印!
みなとみらい線馬車道駅、JR関内駅どちらからも徒歩約5分。馬車道通りにある中華料理店「生香園本館」を馬車道駅方面からは右折、関内駅方面からは左折して相生町通りに入ります。
しばらくするとオレンジ色の旗と看板が左手に。
そこが「馬車道グラヌーズ」です。
店内に入ると、広々としたフロアの中に清潔感あふれるレジカウンターが置かれていて、奥には厨房があります。
パンの香りが立ち込めていて、居るだけでお腹がすいてくる空間です。
レジ横のショーケースも可愛らしい。
壁にはイメージカラーのオレンジに「馬車道GLANUSES SINCE 1995」の文字が記されています。
でも、2020年のオープンにもかかわらず、なぜ「SINCE 1995」なのでしょうか。早速、お店の方にお話を伺ってみましょう。
先代の「湯種パン」を引き継ぎつつグレードアップ
今回は「馬車道グラヌーズ」オーナーの刀根川彰さんにお話を伺いました。
(左からオーナーの刀根川さんと店長の李紫奈子さん)
「馬車道グラヌーズ」の前身は、老舗パン屋の「レェ・グラヌーズ」です。「レェ・グラヌーズ」は130種類以上のパンを20年以上も提供し続けていた人気店でしたが、原材料の高騰にあおられ、惜しまれつつも2016年に閉店しました。
もともと不動産業を営んでいる刀根川さんは「僕は2代目なんだけども、先代のオーナーとは友達でしてね。そこの『湯種食パン』が大好きだったんです」と振り返り、「先代が店を閉めるときにも相談されたんだけど、『絶対、やめないでよ。経営が変わるなら相談に乗るよ』とそのときに言っちゃったんですよね。その話は一旦頓挫しちゃったんだけど、少ししてから先代から『あの話どうかな?』と聞かれちゃってさ。僕から声を掛けていたこともあって、『やらないよ』とは言えないじゃん。ちょっとやってみてもいいかなと思い始めたんですよ」と経緯を語ります。
「レェ・グラヌーズ」は1995年に創業。「SINCE1995」は先代の創業年から取ったということなんですね。閉店してから4年後の2020年に、「馬車道グラヌーズ」として満を持して“リニューアルオープン”を果たしました。
「『湯種パン』のレシピを先代からもらって、バターも小麦粉もお水も機械もいいものを使おうと。徹底的にやろうと。品種をしぼって全精力を傾けていいものを作ろうと考えまして、お店をオープンすることにしました」と刀根川さん。
続けて、刀根川さんは「いろいろなところで、今は高級食パンを食べられてるんだけどね。うちは本物の高級食パン。馬車道で本物の食パンを出してるっていうことを知ってもらえれば」とアピールしていました。
「馬車道グラヌーズ」のラインナップ
メインの食パンは「馬車道あいすくりん食パン」と「馬車道あいすくりん生食パン」の2種。品名は日本アイスクリーム発祥と言われる馬車道で販売されていた氷菓子「あいすくりん」から取っています。
特に「馬車道あいすくりん生食パン」は練乳や生クリームも混ぜ込んだ一品なので、アイスクリームを彷彿とさせる甘い味わいを感じることができておすすめ。
ほかにもラスク3種「馬車道あいすくりんラスク」「馬車道ガーリックとうがらしラスク(生食)」「馬車道ガーリックとうがらしラスク(山型)」や、横濱馬車道レトロサンド「プレーン」「ピーナッツバター」「ラムレーズン」も用意。冷凍ショーケースには「横濱馬車道あいす」「横濱馬車道あいすもなか」、店頭にはオリジナルのドリップコーヒーや徳島県産の特選ジャムなども並んでいます。
日替わり商品もあり、ついつい通ってしまいそうなラインナップです。
「馬車道グラヌーズ」の人気パンをテイクアウト
今回は定番人気の「馬車道あいすくりん生食パン」、横濱馬車道レトロサンド「ラムレーズン」、「馬車道ガーリックとうがらしラスク(生食)」をいただきました。
濃厚な甘みを凝縮した「馬車道あいすくりん生食パン」
先代のレシピを引き継いだ食パンは北海道産のバターと富士山の天然水を贅沢に使用した「馬車道あいすくりん生食パン」。
小麦は北海道産とカナダ産をブレンドし、「生食パン」には北海道産の生クリームと練乳、はちみつも練りこんで甘みを凝縮させています。保存着色料などの添加物を一切不使用。
さらにイタリア製のスチームオーブンを使っているので、もっちりとした食感も楽しめるのが魅力です。
最初は何もつけずに、後にトーストで焼いて食べてみましょう。食感や風味など違う顔を見せてくれます。
大人の香りが鼻孔をくすぐる横濱馬車道レトロサンド「ラムレーズン」
横濱馬車道レトロサンドは「プレーン」「ピーナッツバター」「ラムレーズン」の3種を販売。いずれも生クリームをぎっしりと挟んだ一品です。
「ラムレーズン」はラム酒をたっぷりと漬け込んだレーズンです。大人の香りが鼻をくすぐり、口の中を濃厚な甘みが襲います。
甘みと辛みが共存する「馬車道ガーリックとうがらしラスク(生食)」
生食パンに北海道産の練乳とバター、そして唐辛子を加えて焼き上げています。甘みと辛みが共存した一品です。お酒のおつまみにいいかもしれませんね。
「馬車道グラヌーズ」の店舗情報
現オーナーの刀根川さんは不動産業を主に生業としていますが、「馬車道グラヌーズ」ではスタッフさんに細かい指示を与えているのが印象的でした。
「1分1秒1g、その違いがすごいシビアに出てくるからかなり神経質になりますね」と刀根川さんは話します。芯がぶれずにストイックにおいしい食パンを作り上げています。
もし、関内・馬車道方面へ足を運んだ時は、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。