インド料理の店は横浜にも多くありますが、実はインド料理レストランの多くは「北インド」の料理なんです。一方で、南インド料理はまだまだ世間に浸透していないのが実情。
横浜の関内・馬車道近くに昨年秋にオープンした「ボーディセナ」は、珍しい南インド料理を食ベられるレストラン。今回は休日ランチ時に訪問し、人気の秘密に迫ります。
ボーディセナの概要
昨年の9月24日にオープンしたばかりのできたてほやほやのレストランがボーディセナ(Bodhi sena)です。本格的な南インド料理をコースで食べることができます。
南インド料理と北インド料理の違い
ここで南インド料理と北インド料理の違いを少しご紹介。
バターチキンやナン、タンドリーチキンといった皆さんがよく知っているインド料理は、ほとんど北インド地方中心の料理。
インドは非常に広く、北と南とでは人種も違うんです。カレーに限っていえば、北と南ではスパイスの種類が異なっていたり、北より南インド料理の方が辛いのが特徴です。
「ミールス」という米を使ったセット料理やクレープのような「ドーサ」が南インド料理では代表的。
さっそくボーディセナに潜入
ボーディセナに到着したのは、土曜日の正午少し前。外から店舗を眺めると、デザイナーズマンションを思わせるコンクリートの壁がむき出し状態になっています。
2階より上は普通のビルで、隣が居酒屋なので、ここだけ秘密基地のような不思議な空間。
カウンター席に通されてようやく気づいたのは、私が昔インドを旅行したときに訪問した家の中と非常に似ていたところ。ひょっとして、店内がインドの一般家庭の家屋を再現しているんじゃないかと、天井を見上げると……。
やっぱり!インド旅行した昔の記憶が蘇ってきました。壁に開けられた穴型の窓やトタンでできた天井。この上はビルの2階ですから、インドの雰囲気をうまく再現できていて感心しきりでした。
メニューはこんな感じです。よく知っているバターチキンやナン、タンドリーチキンなどがメニューにないので戸惑ってしまいますが、これが南インド料理なんです!
期待させる店内やメニューに、ついついランチコースを注文してしまいました。
お米のクレープ「マサラドーサ」
こちらが前菜のマサラドーサです。米でできたクレープを揚げたのがドーサで、南インド料理の定番のひとつです。中にはチーズが入っていてなかなかの珍味。豆の入ったスープかチャツネをつけて食べるとのこと。北インド料理の前菜のパパドと違い、香ばしいです。
お好みのカレーは「ボーディセナチキンカレー」を注文。
カレーをメニューから1品選びます。唐辛子マークが多いほど辛いです。唐辛子マークの少ない「ボーディセナチキンカレー」を選択。
ビリヤニが有名なように、南インドでは米がメジャー。ですがパンを選択することに。バトゥーラという揚げパンが出てきます。
ナンと同じ生地でできていますが、ナンが釜で焼いて作るのに対し、バトゥーラは揚げて作られていて香ばしい菓子パンみたい。カレーになかなかマッチします。
カレーは店オリジナルのようです。辛いのが苦手な人ならこれ以上辛いとちょっとつらいかなあという、ギリギリの辛さではないでしょうか。上に乗ったショウガもいいアクセントになっています。
北インド料理のバターチキンようなクリーミーさはなく、薬膳スープに似ているかもしれません。実は南インドでカレーを食べたことがなかったのですが、北海道のスープカレーの元祖がインドの薬膳スープだそうで「これがインドの薬膳スープなのかな?」と思わせるカレーでした。
鶏肉もタンドリーチキンではなく、骨のない柔らかいチキン。噛まずに口の中でとろけます。
デザートに「チョコレートチーズケーキ」と「ジンジャーチャイ」
メイン料理が終わるとデザートです。
こちらはチョコレートチーズケーキ。口の中でチーズの風味が広がります。
ショウガ(ジンジャー)の入ったチャイにケーキがよく合います。容器も金属製で、こちらもインドにいるかのような雰囲気が再現されています。
人気も納得の本格レストラン
訪問時にも相席になるほど人気のお店でした。若い男性・女性が多かったですが、中には一人で訪れる年配の女性もいました。料理のクオリティや店の雰囲気からして、人気になるのも納得です。南インド料理を食べたことのない人はぜひ訪問してください。