JR桜木町駅からの観光といえば東口に拡がる、綺麗で華やかなみなとみらい地区!というイメージが強いですよね。
その反対、桜木町駅の西口を出ると現れる野毛地区には、昔ながらの居酒屋や食堂、バーなどが立ち並び、みなとみらい地区とは異なる独特の文化が残っているんです。
そんな野毛地区で80年以上続く老舗の洋食屋、それが洋食キムラです。今回は昔ながらの洋食屋の雰囲気を皆さんにお伝えするために、この老舗洋食店を紹介します!
洋食キムラの魅力と歴史
大岡川にかかる都橋のすぐそばに佇んでいるのが、洋食キムラ野毛店。
洋食キムラの創業はなんと昭和13年!3代続く老舗だそうです。
オープン当初は関内にあったそうですが、戦後すぐに花咲町に移転したそう。
2号店である野毛店は1994年に誕生。花咲町店が休止状態なで、横浜市中心部で開店しているのは野毛店と新横浜キュービックプラザにある新横浜店だけ。
洋食キムラのある野毛は飲み屋街として知られる場所なんですが、もっとも活気があったのが、最初の東京オリンピックが開催された1963年の直後くらいだそうです。
みなとみらい地区の再開発によりJR京浜東北線より東側に人が流れる傾向にありますが、西側も野毛大道芸が一大イベントになるなど、近年東側に対抗する意識が活発なのも注目です。
洋食キムラに訪問
野毛の最寄り駅であるJR桜木町駅に到着したのが正午頃。
6月の開業まで間近のJR桜木町ビルもほぼ完成し、駅西口も以前とくらべ少し雰囲気が変わってきましたね。
しかし新横浜通りの交差点を渡って少し路地に入ると、以前と変わらない野毛の居酒屋街。この下町感がたまりません。
土曜の正午すぎということもあってか、居酒屋はまだシャッターを閉めた状態。居酒屋街を抜け野毛本通りに到着した場所に、こじんまりした洋食キムラを発見しました。
通り過ぎてしまいそうな控え目な外装ですが、味のある看板ですよね。
洋食キムラ野毛町店は2階建て。訪れたときには1階は満席のようで、2階に通されました。
すでに5組が席に着いて、話に花を咲かせています。
有名店ということで訪問する家族連れや若いカップル、常連客まで幅広い客層です。
メニューを広げると、洋食屋ということばがぴったりの品々。単品や定食が定番の洋食屋ですが、異彩を放つのがコース料理です。
前菜やデザート、ドリンク等を自由に選べ、メインのハンバーグステーキもシチューに交換できるみたいです。折角なのでおすすめセットを注文しました。
鯛のマリネ
前菜は鯛のマリネです。洋食店とは思えぬ凝った前菜で、少しビックリ!こってりした印象の強い洋食のなかにあって、異彩を放っています。味の方もなかなか美味しい!
カニクリームコロッケ
続いてカニクリームコロッケ。
衣のなかは蟹の肉がたっぷりで、高級感のある洋食といった感じ。
前菜もあったのに、サラダも一緒についてくる嬉しいサプライズも。
胡椒の効いたサラダドレッシング、こちらはいかにも洋食屋のサラダという見た目も良い!
ハンバーグステーキ
メインのハンバーグステーキです。洋食キムラがこだわるのがソースで、とくにデミグラスソースは親子3代受け継いできた初代から変わらぬ味だとか。貝の形をした鉄なべに、玉子とともにハンバーグが入っています。濃厚なソースに柔らかいお肉で、まさに上品なお味です。
デザート
4品目あるデザートから選んだのが「スイートポテトと熱々キャラメルがけアイス」。キャラメルソースをアイスにかけていただきます。
冷たいアイスとホクホクのスイートポテトが見事なまでに対照的。
ドリンクにもこだわりをみせ、濃厚な生クリームを注いだ紅茶は気品があります。
そんな中、エコ意識の紙ストローを取り入れるなど、伝統を受け継ぐだけでなく、時代に合わせた取り組みも感じるお店です。
半世紀以上変わらぬ味を届ける洋食店
洋食キムラに訪れて一番印象が強かったのは「細部へのこだわり」。
表の看板はもちろんのこと、
ナプキンや皿にプリントされたロゴに至るまで、気になるポイント探しで息つく暇もありません。
店内でせっせと働く年配の店員の方も印象的で、横浜みなとみらい地区の今風なレストランとは対照的に、こだわりがひしひしと伝わる洋食屋さん。
非常に味わい深いお店なので、昭和から続く雰囲気と味を体感したい方はぜひ立ち寄ってみてください。
洋食キムラ野毛店の店舗情報
住所 | 〒231-0064 神奈川県横浜市中区野毛町1丁目3 |
電話番号 | 045-231-8706 |
営業時間 | 11:30~14:00 17:00~21:00 ※定休日は月曜日 |