馬車道のかき氷専門店「カモメ氷菓店」では、南アルプスの天然氷を使ったかき氷を提供しています。ここ数年のかき氷ブームによって、専門店が増加しており、カフェやレストランでも期間限定のかき氷が続々と登場しています。「カモメ氷菓店」ではどのようなかき氷を食べられるのでしょうか。
今回は「カモメ氷菓店」で「濃厚ピスタチオ&赤い実の誘惑」をいただいてきたのでレポートしていきます。
馬車道駅から徒歩1分。カウンター席でかき氷と向き合う「カモメ氷菓店」
「カモメ氷菓店」はみなとみらい線馬車道駅から徒歩1分。駅からは万国橋に向かうと右手にあります。横浜第二合同庁舎の向かい、「氷」と記された大きな店頭幕が目印。
木枠の扉を開けると計10席のカウンター席。
コンパクトな空間なので、一人やカップルで入りやすい雰囲気です。
「蔵元八義」の天然氷と旬のフルーツをマッチング
今回は「カモメ氷菓店」の着物姿の濵田麻紀さんにお話を伺いました。
オーナーは濵田さんのご主人。元々、同じ場所でビストロ店を経営していましたが、アルコールなしで昼間の時間帯でできるものを探していたところ、「蔵元八義」が手掛ける天然氷を見つけたそうです。
濵田さんは「日本で5社くらい天然氷を作っている蔵元さんがいるんですけど、天然氷というのは冷凍庫ではなくて、自然の寒さで徐々に徐々に2,3週間氷を張ったものを切り出しています。蔵元はその氷の製造会社なんです。なかでも、『八義』さんは日本で唯一、100%の湧き水によって塩素を入れないで氷を作っています。これは氷に詳しい方には引っかかるポイントなのかなと思いますね。湧き水本来のまろやかな味わいが口の中で広がります」と説明します。
たまたまご主人が「八義」の公式代理店のような形でかき氷を提供している中町氷菓店の方と知り合ったことから、かき氷にハマってしまったとのこと。「貴重ないい氷なのでかき氷やりましょうよ」とお声をかけていただいたことから、氷の扱い方や削り方のレクチャーを受けて今年4月のオープンに至ったそうです。
「『八義』さんに電話をしても誰でも卸してくれるわけではないんです。横浜ではウチだけとか、エリアで選別されていて、何店舗も出せないようになっているんです」と濵田さんは語ります。
店名は横浜をイメージしてもらおうということから「カモメ」と名付けました。濵田さんは「一番の売りはフワフワ食感の天然氷を使っていることですが、非加熱のソースを作っていまして、ジャムみたいに煮込んで冷ましてというものではなく、フレッシュなフルーツを毎日潰してご提供しているので、果実をそのまま食べているような食感になっていると思います」とアピールしています。
「カモメ氷菓店」のメニュー
「産地によって旬が変わってくるので時期によって、そのときおいしいものを使っています」と話してくれた濵田さん。伺った日は合計9種のかき氷が提供されていました。
さらに「追い練乳」「ホイップクリーム」「クリームチーズホイップ」「フルーツソース」「あずき」「黒蜜」といった豊富なトッピングも用意しています。
温かいほうじ茶とお口直しのお漬物を付いているので、かき氷を十二分に満喫できるようなラインナップです。
「カモメ氷菓店」の絶品かき氷を堪能!
今回は、人気商品の「濃厚ピスタチオ&赤い実の誘惑」をいただくことにしました。
酸味と甘み、食感の変化をも楽しめる「濃厚ピスタチオ&赤い実の誘惑」
ホイップクリームをトッピングしてもらったことでパフェのような見栄え!
細かく刻んだ濃厚ピスタチオに北海道産木イチゴなどをブレンドしたかき氷の上にホイップクリーム。さらにその上にはカットされたイチゴが乗せられています。イチゴの酸味とホイップクリームの甘みが口の中でデッドヒートを繰り広げているかのよう。
サラサラとしたかき氷とピスタチオや木イチゴの食感が心地よく、なめらかに喉を通っていきます。
天然氷のかき氷を初めて食べましたが、頭がキーンとならないんですね。
添えられた温かいほうじ茶&お口直しのお漬物がいいアクセント。
ボリューム感のある見た目ではあるものの、時を忘れ、いつの間にか食べ終えてしまいました。
「カモメ氷菓店」の店舗情報
「氷と素材、削り方次第で食感が変わってくるので、いつも練習しながらそのバランスを大切にしています。氷が貴重なモノなので氷とフルーツを味わっていただけるような繊細な作りになっています」と教えてくれた濵田さん。
濵田さんは「自然に作られたモノで追加生産ができないので確保している分しかないんですね。山梨の方の室でストックしてもらっていて、チャーター便で送ってきてもらっているんですけど、うちの分がなくなっちゃうとかき氷が出せなくなっちゃうので、なくなり次第、氷は終了になります」と説明してくれました。
秋や冬になったときには、かき氷以外のもので営業する可能性もあるそうです。もし、馬車道周辺へ出向く機会がありましたら、今のうちに一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。