横浜中華街の東門入口からすぐ、古民家風の明るい黄色にグリーンがあしらわれた可愛らしいベトナムカフェ「CAFE GIANG(カフェ ジャン)」があります。
「ベトナムEGG COFFEE」の看板と真っ赤な「バインミー」の旗、人が入れるサイズの大きなコーヒーカップが目を引きます。
このカップには実際に人が入って写真撮影を楽しむことができ、インスタ映えにもおすすめのスポット。
初挑戦のエッグコーヒーと、ベトナムサンドイッチバインミーのレポートをお届けします。
日本で唯一「エッグコーヒー」が楽しめる
CAFÉ GIANGは、ベトナムのハノイに本店を構えるエッグコーヒー発祥のお店。
ここ横浜のCAFÉ GIANGはその2号店で、日本では唯一のエッグコーヒーが楽しめるお店です。
エッグコーヒーは、73年前にベトナム・ハノイの5つ星ホテル「ソフィテル・レジェンド・メトロポール」で生まれました。
当時ホテルのバーテンダーだったグエンバンザン氏が、カプチーノからインスピレーションを受けて、当時高価だったミルクの代わりに卵で作ったのがはじまりです。
二層式のデザートのようなコーヒーで、表面の層には秘伝の甘いエッグクリーム、下の層には苦味の強い、深い味わいのベトナムコーヒー。
この二層をスプーンでよく混ぜて、甘みと苦味を楽しむ独特なコーヒーです。
このエッグコーヒーは当時、国内外のホテル宿泊客から絶大な人気を集めました。そこで地元の人々にもこのエッグコーヒーを味わってもらおうとCAFÉ GIANGが誕生したそうです。
なかなか暖簾分けをしないお店のため、CAFÉ GIANGは世界に2店舗のみ。
エッグコーヒーを楽しめるのは、ベトナム・ハノイの本店と、ここ日本の横浜だけです。
お店に入るとまずはカウンターがあり、店員さんが「まずはこちらで注文を伺います」と説明してくれます。
今日は本社からお手伝いに来ましたというスタッフさんと、受付カウンターのお姉さんをパチリ。お二人とも笑顔でとても親切にメニューの説明をしてくれます。
注文は、エッグコーヒーをおすすめのホットで。
ベトナム風サンドイッチのバインミーも食べられるということで、こちらは甜麺醤とスイートチリソースの2種類を選べて、おすすめのスイートチリソースをチョイス。
先払いのあと好きな席で待つスタイルで、作りたて・淹れたてを席まで運んできてくれます。
エッグコーヒーは500円、バインミーは550円です。
木のぬくもりを感じる店内は、壁も床も木目調で落ち着ける雰囲気。
壁には風景画のキャンバスや写真が飾られていて、所々にベトナム雑貨がディスプレイされています。
1階には大きな観葉植物のグリーンを囲む大きなカウンター席が9席と、ベトナム風の四角いコロンとしたローチェアにゆったりしたソファが配置された4人席が2つ、2人席が1つあり、ベトナムにプチトリップしたような気分を味わえます。
2階は想像以上に広々とした空間になっていて、とても可愛らしいカーテンやクッションが置かれていて、ゆったりとくつろげる雰囲気。
奥には壁一面に、花束を持った男性の大きな絵が!
花束を受け取る側に立って写真撮影するのも楽しそうです。
私は1階で、街の風景を描いた素敵な絵が眺められるカウンターに着席。ワクワクしながらエッグコーヒーとバインミーを待ちます。
まるでスイーツ?!エッグコーヒー
運んでくれたエッグコーヒーは、まるでプリンを思わせるような見た目。
カップの下はソーサーではなく、熱いお湯が入った透明のガラスで、最後まで冷めないようにコーヒーを温めてくれます。
スタッフさんが美味しい飲み方を丁寧に説明してくれました。
まずは黄色い上の層の泡だけをすくって一口。ホイップされたエッグクリームの甘みをデザート感覚で味わいます。
その次にスプーンを使って、下から上へコーヒーをすくい上げるようにして何度もよくかき混ぜます。このかき混ぜ方が足りないと、下の方に苦味の強いコーヒーが残ってしまうのでご注意をと教えてくれます。
エッグコーヒーを淹れるところ。わくわくしますね。
ではいざ、初挑戦のエッグコーヒーを。
まずは一口目、上の層の黄色いエッグクリームをいただきます。
すくい上げるとトロ~リ。口当たりはふわっふわ。
カスタードクリームのようでカスタードクリームではない、プリンをふわふわのムース状にしたかのような、ほぼスイーツの味わいです。
ムース状と言っても、ムースほどぽってりとしていないふわふわした泡なので、口に入れるとしゅわっとゆっくり消えていきます。これは初めての感触です。
ホットコーヒーの上にたまご…?と想像していたので、温められて少したまご臭いのではと思っていたのですが、全くたまご臭さを感じません。むしろ「たまご」を感じません。甘いデザートを食べているという印象です。
少し混ぜてみると、明るい黄色にコーヒーの茶色がマーブル状になってきれいです。
苦味が加わって、プリンとカラメルを食べているような、コーヒーのほろ苦さがエッグクリームの甘味を引き立てます。
最後にしっかり底のほうからスプーンでコーヒーをすくい上げ、上のクリームと混ざるように何度もよくかき混ぜます。色が均一になるまでよく混ぜると、苦味のしっかりしたベトナムコーヒーの味わいがあらわれました。
スイーツを食べているようだった甘さはなりを潜め、濃い目で苦味の強い、深煎りコーヒーの味をしっかりと感じます。
それでいて、ふわふわの泡がコーヒーと混ざり合って、マイルドで優しい口当たりに。
コーヒー自体は深い苦味が強い印象ですが、苦味だけではない、甘さとのミックスで生まれたアフォガードのような絶妙なコンビネーションを楽しめ、初めて出会う美味しさでした。
お子様や、苦味の強いコーヒーが苦手な方は、「エッグココア」や「エッグシナモン」、「エッグ抹茶」がおすすめだそうです。すべて飲み方は同じで、下から上へすくい上げるように何度もよく混ぜて、まろやかな味わいを楽しみます。
メニューにはほかに、ベトナムではメジャーな練乳入りコーヒー、エスプレッソ、アイスエッグコーヒーやアイスエッグ抹茶、アイスエッグココア、タピオカドリンクがあります。
アイスのエッグコーヒーは、最下層が練乳、真ん中がベトナムコーヒー、表面層がエッグクリームの3層になっているそうで、こちらも色が均一になるまでよく混ぜていただきます。
変わり種に、店内のモニター動画でおすすめされていたエッグビールや、エッグコーラ、エッグラムがあります。
エッグビールは、よく冷やした器にエッグクリームを入れ、ビールは別容器で提供されるそうです。提供されたらビールをエッグクリーム入りの冷たい器に、溢れないようにゆっくりと静かに注ぎ入れます。注いだらスプーンを使って、泡が溢れないようゆっくりとエッグクリームとビールをよく混ぜていただきます。
エッグコーラも、コーラ好きな方はぜひチャレンジを。
どちらもあっと驚くような組み合わせですが、意外な組み合わせに新しいおいしさを発見できるようです。
ベトナムで大人気のサンドイッチといえば「バインミー」
バインミーは、ベトナムではサンドイッチと言ったらこれ!というくらい人気のサンドイッチだそうです。
もともとフランスの植民地だった影響でうまれ、フランスパンの中に、一般的にはお肉や玉ねぎ、大根、にんじんのなます、パクチーなどがたっぷり入ったサッパリながらボリュームのある食事系サンドです。
こちらCAFEG GIANGのバインミーは、フランスパンの中に、チャーシュー、きゅうり、玉ねぎ、にんじん、そしてなんと北京ダックと、新鮮パクチーがたっぷり入っています。
エッグコーヒーとの相性は抜群。
ソースは2種類、甜麺醤とスイートチリソースが選べます。
おすすめのスイートチリソースでお願いしたバインミーは、こぼれ落ちんばかりの具材とパクチー。ここは思い切って、めいっぱい口をあけてほおばります。
シャキッ。新鮮パクチーの食感と爽やかな香りが口いっぱいに広がります。
外はカリッ、中はふわっとしたフランスパンと、スイートチリソースのピリ辛な味わいに、北京ダックとチャーシュー、野菜たちがベストマッチ。
見た目の通りボリューム満点でしっかりとした食べごたえがありますが、パクチーをはじめとする野菜主体のサッパリした味わいで、あっという間に完食してしまいました。
これはパクチー好きにはたまらない、クセになる美味しさです。
エッグコーヒーの美味しさを日本にも伝えたい
ここCAFÉ GIANGのオーナーさんは、お隣の北京ダック専門店と、チャンピオンの肉まん屋さんと同一のオーナーさん。
CAFÉ GIANGのバインミーに入っている北京ダックは、お隣の北京ダック専門店から仕入れています。
このオーナーさんがベトナムを訪れたとき、ハノイのCAFÉ GIANG本店を訪れて飲んだエッグコーヒーに感動したそうです。
「これは美味しい。日本の人たちにも伝えたい。」と考え、暖簾分けのお願いをしましたが、なかなか暖簾分けはしないお店なので、はじめは断られてしまったそうです。
それでも、日本のお客様にもこのエッグコーヒーを飲んで欲しいと、何度も何度もお願いしに行くうち、その熱意が認められてやっと暖簾分けの承諾をもらうことができ、この横浜にCAFÉ GIANGが誕生しました。
お店のこだわりは、エッグコーヒーに使用するコーヒーにもあり、コーヒー豆はすべて本場ベトナムから直輸入しています。
フランスの植民地時代、避暑リゾート地として開発された、ベトナム南部のダラット地区で育ったコーヒー豆は、「永遠の春の都市」と呼ばれるほど温和な気候と、高原に位置するダラット特有の豊かな環境で作られました。
農薬も極力抑えて大切に育てられた、高品質の減農薬コーヒー豆です。
現地で厳選したダラット産のアラビカ種とロブスタ種を独自にブレンドした、CAFÉ GIANGオリジナルのベトナムコーヒー。
保存料や添加物を一切使用せずに、店内で目を引く大きなロースターで独自に本格焙煎。本場ベトナムの味を再現しています。
このコーヒー豆と粉は、200g1,150円で販売もおこなっています。
もちろん、自慢のエッグコーヒーのエッグクリームにも大きなこだわりがあります。
エッグクリームは卵黄と砂糖、独自のスパイスなど調味料を混ぜてミキサーでホイップ状にして作られているそうですが、たまご臭さが全く感じられない秘密はこの独自の調味料ブレンドにあるそうです。
また、エッグクリームに使用している卵黄は、千葉にある「たまごやとよまる」の「まことのたまご」。健康的な鶏が産んだたまごで、手に取るとずっしりとした重みのある、匂いや味のクセがないたまごだそうです。
鮮やかなオレンジ色の卵黄が特徴で、お箸でつまんでも崩れない、新鮮で美味しいたまごを贅沢に使用してエッグクリームを作っています。
日本ではほかで飲むことのできないエッグコーヒー。
ぜひ一度味わって欲しい美味しさです。
ベトナムカフェCAFE GIANG(カフェ ジャン)の店舗情報
店舗名 | CAFE GIANG(カフェ ジャン) |
住所 | 〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町78-3 |
営業時間 | 日~木 10:00-22:30(Lo.22:00) 金・土 10:00-23:00(Lo.22:30) |
電話番号 | 045-323-9088 |
URL | 公式サイト |